さくらシンドローム
10、祭
「それじゃあ行ってきまーす。」
「…いてら。」
今日は近所の花火大会。
百助はしほちゃんと一緒に行くらしい。母さんに浴衣まで着付けてもらっていた。
「ゆき、あんたは浴衣着なくていいの?」
「浴衣なんて歩きづらいだけじゃん。…どうせ行かないし。」
「え、友達は?」
「…彼女と行くんだって。」
一応ズッキーは誘った。でも案の定、女の子と行くと抜かした。
「あんたも彼女はいるんでしょ。」
「…家族と行くんだって。」
一応凜太郎にも声をかけた。でも親戚と行くと言って断られた。
「寂しい子ねえ。」
「うるせえ。」