さくらシンドローム

布団に潜った瞬間、電話がなった。

「ナイスタイミング!誰だ!…って母さんかい。」

テンションが下がりながらも電話に出る。

「もしもーし。」

『ゆき、ちょっと来て。』

「は?」

『財布!財布忘れちゃったのよ!』

「は?」

『リビングに置いてると思うから!祭会場の入口辺りにいるから!よろしく!』

「はあ!?ちょっと母さん!」

ぶちっと切られた電話。

「…まじかよ。」

…出店でなんか買ってもらおう。焼きそばもたこ焼きも焼き鳥もかき氷もりんご飴もチョコバナナも唐揚げも綿菓子も…

なんて考えているうちに会場に着いた。

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