さくらシンドローム
「それにしてもいっぱい買ってますね。」
「ああ。」
「それ食べきれるんですか?」
「たぶん。」
そのとき、大きな音を立てて花火が上がった。
「あ、花火始まりましたね。」
「なあ凜太郎、一緒に…」
「じゃあ私、行きますね。」
「え?」
「毎年、同じところで花火見てるんでたぶんそこにみんないるかと。」
「…あそ。」
歩いて行く凜太郎の背中を眺めていると、凜太郎がこちらを振り返り、引き返してきた。