さくらシンドローム
「…なあ、俺がもし、女装してたらどう思う?」
「「は?」」
「父さんと母さんはどうする?」
「あんたもしかして女装趣味…」
「もしもの話だよ!」
「やめてよね、気持ち悪い。」
「…」
だよな。普通はそうだ。凜太郎の親戚は女装を受け入れてるのだろうか。寛大なやつらだ。
『凜子』という名前も、もしかしたら凜太郎が女装してる間のニックネームみたいなものかもしれない。
「さっさと風呂入りなさいよー。」
「…はーい。」
あのおばあちゃんが凜太郎のお母さんだとしたら、お父さんは?
凜太郎に対する疑問が多すぎて、その日はなかなか寝付けなかった。