さくらシンドローム
11、花屋
夏休みも佳境に入った。
宿題なんてやる気起きなくてごろごろする毎日。
「ちょっとゆき、暇?」
「忙しいー。」
「そう。ちょっと花買ってきてよ。」
「…母さん、聞いてた?俺忙しいって言ったよね。」
「ケータイゲームしてるだけじゃない。」
「ゲームに忙しいんだよ。」
「そう。はいこれお金。仏壇用の花ね。頼んだわよ。」
「…」
母さんは聞く耳持たない様子なので、俺は仕方なくお金を握りしめて花屋に向かった。