さくらシンドローム
「いらっしゃいませー。…あら。」
「…あ。」
花屋にいたのは、花火のとき凜太郎と一緒にいたおばさんだった。
「凜太郎の友達の…」
「桐生です。」
どこかで見たことあると思ったら、花屋の店長だったのか。
「そうそう、桐生くんね。凜太郎は今日図書館行ってていないわよ。」
「あ、いや、凜太郎に会いに来たわけじゃなくて。花買いに来ました。」
「あらそう。何の花?」
「仏壇に飾るやつです。適当に見繕ってください。」
「かしこまりました。」