さくらシンドローム

さっさっと花を束ねていくおばさん。

「あの、おばさんは凜太郎とどういう関係なんですか?」

「ああ、凜太郎の叔母です。」

「そうなんですか。」

「うん。穂乃香と優太と春太の母親。」

優太と春太ってのは恐らく花火に来ていた男の子2人だろう。

「あの、一緒にいたおばあちゃんって、凜太郎のお母さんなんですか?」

つい気になって聞いてしまった。

「あの人は、凜太郎のおばあちゃんよ。」

…へ?

「え、でも、凜太郎はあの人のことお母さんって。」

「え…あ…ごめんなさい。聞いてなかったのね。」

「え?」

「おばあちゃん、認知症なのよ。」

そういうことか。

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