さくらシンドローム
ところで…
「なあ、凜太郎は?」
凜太郎の部屋のはずなのに、張本人がいない。
「おばさんが花の配達行っちゃったからその間店番だって。」
「そう。」
自営業も大変だな。
「…お前らはさ、凜太郎の家庭のこと知ってんの?」
「家庭のこと?」
「ほら、親のこととか。」
「ああ、知ってるぞ。ご両親亡くなられてるんだろ?」
「え、」
「ここのおばさんが、お父さんの妹なんでしょ?」
「そ…なんだ。」
そういえば親の話は聞いてなかった。