さくらシンドローム


約束の日曜日。

午前10時、幸雄は待ち合わせ場所の駅前に来ていた。

「あ!ズッキー!」

「待たせたな。」

笑顔で走ってきたズッキー。

「さあどこから行く?」

「俺リュック欲しいから見に行っていい?」

「おう。」

二人は並んで歩き始めた。

「てかなんで今日俺を誘ったんだ?」

「え、」

「いや、ズッキーならいくらでも買い物付き合ってくれる女いるだろ。」

「…ああ、修学旅行は男子とワイワイやろうって思ってるから…」

「え。意外。じゃあ自由行動も女子としねえの?」

「そのつもり。」

「やったあ!俺、自由行動どうしようと思ってたんだよ。」

幸雄は修学旅行でぼっちにならないと喜んだ。

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