さくらシンドローム

その時、二人の目の前に一人の男が立ちはだかった。

「…凜ちゃん。」

凜太郎だった。凜太郎は大きな花束を持って、息を切らしながら瑞樹を睨んでいる。

「大事なお姉さんの結婚式の日にどこほっつき歩いてるかと思えば、こんなところにいたのですか。」

「は!?ズッキーの姉ちゃん今日結婚式なの!?」

「はい。そんな大切な日に、どうして桐生くんなんかといるんですか!」

「…凜太郎、それは俺に失礼じゃないか?」

「あ。どうしてこんなところにいるかと言いたかっただけで、他意はないんですよ。ごめんなさい。」

瑞樹は俯いている。

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