さくらシンドローム

「なるちゃん…」

ズッキーが喋るより先に、お姉さんがズッキーに抱きついた。

「もう来てくれないのかと思った…。」

「ごめん。ごめんねなるちゃん。」

「ううん。ありがとう。」

ズッキーはお姉さんの手をやんわりと解く。

「あのね、」

「ん?」

ズッキーは深呼吸して、ゆっくりと口を開いた。

そして、

「結婚おめでとう。…姉ちゃん。」

そう言って笑顔で花束を差し出した。

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