さくらシンドローム
「…良かったのかよ。ズッキー。」
「ああ。」
ズッキーがお姉さんに花束を渡すと、拍手が起こった。
そのあと、他人の俺と凜太郎も何故か披露宴に誘われたが、さすがに知り合いでもないから断った。
ズッキーはというと、俺らと同様、披露宴には出席しなかった。
そして今、3人で会場を出たところだ。
「お姉さん、とても綺麗でしたね。」
「そりゃあ、俺の姉ちゃんだからな。」
「ズッキー…気持ち伝えなくて良かったのか?」
「姉ちゃんのあんな幸せそうな顔見てたら伝えられるわけないだろ。」
「そっか…」
「でもお前らのおかげで後悔せずに済んだ。ありがとな。」
「…いいえ。羽川くん、素敵でしたよ。」
凜太郎はズッキーの頭を撫でた。