さくらシンドローム
生徒会室の鍵を例のごとくピッキングしようと針金を取り出すと、進藤はため息をつきながら生徒会室の鍵を出してくれた。
「進藤!ありがとう!」
「言っとくけど、お前のためじゃないからな。凜太郎のためだ。」
「え?」
「さっさと凜太郎捕まえて、教室に戻してあげてってこと。」
「…わかった。」
俺は鍵を握りしめて生徒会室に走った。
生徒会室のドアを開けると、そこには誰もいなく、静まりかえっている。
「凜太郎…?おーい。凜太郎ー。」
どこかに隠れているのかと声をかけてみても返事はない。
「…くそ。」
予想は外れたようだ。また振り出しに戻った。