さくらシンドローム
「うおっ!」
猛ダッシュしていたら階段を踏み外して尻餅をついてしまった。
「いって…」
腰を強打し、しばらく立てなかった。
しかし、こんなところで時間を使ってる場合ではない。
とりあえず立ち上がり、保健室へ向かった。
「せんせー…湿布くれ…」
「あら、どうしたの。」
「転けた。」
「あらあら。」
湿布をもらい、ふとベッドの方に目をやると、一方だけカーテンが閉まっていた。
「…誰か寝てんの?」
「そうよ。静かにね。」
…まさか、凜太郎?
カーテンを勢いよく開けると、そこにはベッドに腰かけて本を読んでいる女子生徒がいた。
「…あ、失礼しまし…」
…ん?