さくらシンドローム

顔は髪の毛で隠れていたが、見たことのある髪型。感じたことのある雰囲気。

もう一度カーテンを開くと、窓から逃げようとしている女装した凜太郎。

「あ!凜太郎おお!!」

「見つかっちゃいましたね。」

「待てこら!」

俺も窓から出て凜太郎を追いかけた。

「凜太郎!待てよ!」

「嫌です!」

「なんで逃げんだよ!」

「追いかけてくるからでしょう!」

「お前も修学旅行一緒に回るやついなくて困ってんだろ!俺と回れよ!」

そう言うと、凜太郎は立ち止まった。

「うお!」

「…忘れてました。」

「…え?」

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