さくらシンドローム
その頃、藤堂は図書館で勉強をしていた。
そこに近づく一人の女子。
「お疲れ、藤堂。」
「おう。美晴。」
美晴は藤堂の幼馴染みだ。
「毎日頑張ってるね。」
「ああ。首席は守らなきゃだからな。」
「そう。」
美晴は藤堂の隣に座った。
「生徒会選挙はどんな感じ?」
「んー。凜太郎さんの人気はすごいからな。立派な人だと思うし。もちろん、生徒会長にはなりたいけど、今回は無理じゃないかな。」
藤堂は幸雄たちの前では偉そうな態度をとっていたが、凜太郎のことは認めている。
「ううん。絶対藤堂は生徒会長になれるよ。みんな応援してる。私も。」
「ありがとう。」
「…凜太郎さんは、きっと辞退すると思うし。」
「へ?」
「なーんもないよ。頑張ってね。」
「…ああ。」
美晴は微笑んで図書館を出た。