さくらシンドローム
服の袖を引っ張るその指は意外と長くて、それでも俺のよりは幾分か小さかった。
「学生さんですか?」
「ああ。明日から桜東高校に通う。」
「…あなたが。」
「え?」
「いやなんでも。私も同じ高校ですよ。」
「ほんとか!?」
「ええ。会えるといいですね。」
「そうだな!」
「…その前に私を見つけられるかどうかですが。」
「なんか言った?」
「何も。着きましたよ、交番。」
「あ、ありがとな!」
「いえ、それでは。」