さくらシンドローム
「でも穂乃香ちゃん、フリくらいなら協力してあげませんか?桐生くん可哀想だし。」
馬鹿にされてる感じはするが、今はなんでもありがたい。
「ぜったい嫌!」
「「え、」」
穂乃香は頑なに拒んだ。
さすがの俺でもへこむぞ。
「一日だけでいいんですよ?ね、桐生くん。」
「ああ、うん。」
「…一日だけでも、例えフリでも、人の彼女になってるとこ凜ちゃんに見られたくないもん。」
もしかしてこいつ…
「ん?どうしてですか?」
凜太郎はガチでわかってない様子。気づいてやれよ!!
「どうしてもなの!とにかく嫌!」
「穂乃香ちゃん…。すみません、桐生くん、他の方にしてもらえますか。」
「いや、俺もいきなり悪かった。」
凜太郎に惚れている穂乃香にいくら頼んでも無理だと思った。