さくらシンドローム

「あれ、お兄さんの彼女さんは?」

「まだ来てないんだ。」

「まさか兄貴、彼女いないのに見栄張ってたんじゃ…」

「んなわけないだろ!もうすぐ来るよ!」

おっせえな…

「桐生くーん!」

背後から俺を呼ぶ声。やっときた。

振り返ると、好みど真ん中可愛い女の子が走ってくる。

一瞬ドキッとしたが、あれは凜太郎だ。れっきとした男だ。

「お待たせしてしまってすみません。」

「あ、いや、」

「兄貴の彼女?可愛いじゃん!」

百助は驚いている。

「…ああ、彼女のり…さくらだ。」

「さくらと申します。よろしくお願いします。」

凜太郎、魅惑のスマイルが発動した。

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