さくらシンドローム

百助の彼女のしほちゃんがじっと凜太郎を見ている。

「…どうかしました?」

「あっ!いや!思わず見とれてしまって!とてもお綺麗ですね!」

「ふふ。ありがとうございます。あなたも可愛らしいです。」

凜太郎が男の格好だったら、しほちゃんは確実に落ちているだろう。天然たらしか。

「じゃあ顔合わせもしたし、そろそろ行こうか!」

水族館に着くと、急にテンションが上がる。

「うわ!すげ!サメすげ!」

興奮して騒いでる俺らに対して、凜太郎は静かに魚を見ていた。

「おい、り…さくら、」

「お魚…美味しそうですね。」

「は?」

「私鮭が好きなんですよ。あ、鯖も好きです。マグロのお刺身も捨てがたいですね。」

「お前…」

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