Luck TesT
学校の門が見えてきたところで、いつもと雰囲気が違うことに驚いた。
たくさんのレポーターらしき人たちが、わんさか門のあたりにたむろしていて、先生と言い合いをしていた。

「あっ!君もしかして桜井高等学校の生徒かな!?」

いきなり後ろから声をかけられた。
振り向くと、自分にマイクとカメラを向けられていて驚く。

「え、何…!?」

とその時だった。

「本郷!遅刻するぞ、早く学校の中に入りなさい!」

ふと門の方を向くと、鬼クマ先生が仁王立ちしているのが見えた。

「やっば…!」

いつも先生が門を閉める役をしているため、門を閉められると、職員室へそのまま連れていかれて、こってり絞られる羽目になる。

私は慌てて、レポーター達を振り払って校門をくぐった。




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