Luck TesT
「そしたら、倒れてたんです。2人が」

そう言って、リビングの床を指差した。

結斗の家に来た理由、それから、家で何が起こったのか。
話すうちに、何度もその時の事を思いだしてしまい、その度に涙が溢れた。

「君の友達の、お父さんはいなかったんだね?」

聞かれて頷く。

「確か今は、北海道に出張中だって、結斗が言ってたと思います」

「そうか。お父さんの会社の名前はわかるかい?」

私はふるふると首を横にふった。

「お母さんかお父さんならわかると思いますけど…」

そう答えると、実家の電話番号を聞かれたので私は素直に答えた。

「ありがとう。また、話を聞くかもしれないが、その時はまた、協力お願いします」

そう言って、話を聞いていた数名の刑事さんは、何かを話ながらその場を離れていった。

「終わったみたいだね」

お巡りさんが声をかけてきた。

「この子、病院まで送ってきます」

そう言うと、さっき話を聞いていた刑事の一人が、自分も病院へ行くので、車を出す、と申し出た。



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