Luck TesT
「家出くん、ホントに殺したのかなぁ」

ぽつりと言うと、突然、後ろから、「そんなはずない!」と女の子の叫ぶ声がした。

「え…?」

振り返ると、そこにはツインテールにした愛らしい顔の女の子が、目に涙をためて立っていた。両脇には、別の女の子が2人、大丈夫?と言いながらその女の子に付き添っていた。

「渡辺くんのこと、なんにも知らないくせに…!」

そういうと、いきなりつかつかと近寄って来たかと思うと、パアンといい音が廊下にこだました。

「った!ちょ、何、いきなり!」

突然ひっぱたかれて、避けることすらできなかった。

「だ、大丈夫!?葵!?」

頬がひりひりと痛む。

「渡辺くんは、そんなこと、するような人じゃなかったもん!」

そう言うと、わぁっと泣きながら廊下を走って行った。

「あ、かえでちゃん!」

両脇にいた女の子の片方が、慌てて走って追いかける。

「あなた、最低なんじゃない!?」

もう片方の女の子は吐き捨てるように言うと、ギロっと睨んで、そのまま2人の後を追いかけて行った。





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