Luck TesT
「…医者はどうだ?」

聞かれて、難波は首を横に振る。

「いいえ。一般客はみんな、一人か二人で、3人なんて人数の人間はみかけませんでしたよ。まして医者の先生ならなおさら記憶に残るはずですけど…」

難波がそう答えたその時だった。


『キャー!』


中庭の方から、悲鳴が聞こえてきた。
布施と難波は顔を見合わせると、急いで声の方へと走って行った。

「あっ…」

残された葵と結斗。
どうするべきなのかわからず、葵は結斗を見る。

「…行こう」

結斗に言われて、葵は頷き、布施と難波の後を追った。

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