Luck TesT
「あぁ…そうだ、ずっと聞かなくてはと思っていたんだが」

布施と難波が部屋を出て行こうとしたときだった。

「お前の言う、アケミという少女だが、クラスメイトの中野朱美で間違いはないか?」

布施が聞くと、葵はこくんと頷いた。

「何か…わかったんですか!?」

はっとなり聞く。
が。

「いや…死亡者の中に、中野朱美という少女は存在しないようだ」

葵の顔がぱぁっと明るくなる。

「それじゃ、生きて…」

「まだわからない」

布施は、葵の言葉をさえぎるようにして言った。

「…部屋を出るんじゃないぞ。いいな」

そう言って、布施と難波は部屋を後にした。

< 235 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop