Luck TesT
そして、ふと、横になって寝ていたはずなのに、椅子に座っていることに気づく。


何がどうなってんの!?


ジタバタともがいているその時だった。

ガラガラガラっと何が開く音がした。

「あ…難波さん!」

見知った顔に、思わず安堵する。
難波は微笑みながら、そばに近寄ってくる。

「よかった、何がどうなってるのかわかんないんですけど」

困ったように、葵が呟く。

「大丈夫、もうすぐ終わるから」

難波の言葉の意味がわからなかった。

「え?」

難波は、葵の胸ポケットで、その存在を主張している携帯を取り出し、カチカチっといじる。

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