Luck TesT
それから数日後、先に目を覚ましたのは布施だった。
別室で念のため、と、検査入院をしていた葵は、その知らせを受けて、布施の病室へと急いだ。

「よかった、目が覚めて」

ほっと、安堵の息をついた。
布施も、葵の無事な姿を目にして、ほっと、安心したようだった。

「大丈夫だったか?」

「…はい」

布施のベッドの隣に置いてある椅子に腰かけ、葵は小さくほほ笑んだ。

「…難波、は?」

布施の言葉に、葵の表情は一気に暗くなった。

自分を殺そうとしていた難波。
警察の話では、彼はもう、警察が駆け付けた時には、死んでいたらしい。

葵は頭を小さく、横に振った。

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