Luck TesT
葵は、布施以外の人達全員に、病室から出るようにお願いした。
事件で自分が知ったことに関しては、布施にしか話したくなかったし、何より、布施にだけは、自分の口で伝えなければならないと思ったのだ。

「…事件の話、か?」

布施が先に口を開く。
葵は小さく頷いた。

「正直、うまく話せるか自信ないし、ちゃんと伝わるかもわかんないんですけど…布施さんには、私が言わなきゃいけない気がするから」

葵の言葉に、布施は目を閉じて頷いた。

「あぁ…聞かせてくれ」

葵はゆっくりと、ポツポツと話をした。



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