Luck TesT
私たちのいた特別教室は、幸いなことに1階だったので、校庭に面した窓を開け、そこから外へと飛び出した。

だが、校庭には誰もいない。

「さっきの火事って放送…」

そう言って振り返った時だった。

結斗が真っ青な顔で、校舎を指差していた。

指された先、校舎の4階の一角から、大きく炎が上がっているのが見える。
そして、近くの廊下を生徒が必死で走る姿も。

「なに、あれ…」

私は結斗の腕をぎゅっと掴んだ。


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