Luck TesT

2nd Stage

生徒はそのまま緊急事態ということで、みんな家に返されることになった。
生徒が自ら荷物を取りに行くのは危ないと、各クラス毎に、順番に消防隊員が変わりに荷物を取ってきてくれた。

1クラス、また、1クラス。
徐々に居なくなる生徒たちを、静かに黙って眺めた。

すると、ふと、何人かの生徒が、自分達を見ていたような気になってきた。


もしかして…なんでいるんだろうとか、思ってるのかな……


ふとそんなことを思いながら、頭を横に振った。


…ううん、気のせいだ。
みんな、こんな状況じゃ、他人のことなんてかまってられないはずだもん。


こんな状況下で、誰が一体、他人のことを気にかけられるだろうか。
すぐに小さく頭を振って、心の中に芽生えた思いを打ち消した。



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