Luck TesT
無事な生徒で、残っている生徒は、私と結斗だけに気づけばなっていた。

「おい、お前達。ちょっといいか?」

鬼クマ先生に呼ばれて、小さく頷くと、そばへと駆け寄った。

「…お前ら、どこにいたんだ?」

複雑そうな表情を浮かべて聞く鬼クマ先生に、私と結斗は顔を見合わせながら、ごめんなさい、と小さく呟いた。

「いや、怒っているわけじゃないんだ。ただ、な。どうやら爆発元が化学室らしくてな。お前らのクラスが、授業中だと聞いていたから、その…」

少しだけ困ったような表情を浮かべる鬼クマ先生に、私達は、授業には行かず、サボっていたことを正直に打ち明けた。

「そうか…」

先生はそう呟くと、少しだけ複雑そうな表情を浮かべた。

「その…なんだ。サボったことは良くないが……」

先生の声はどんどん小さくなっていった。

「無事でよかった」

先生は少し、泣いていた。


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