Luck TesT
結斗の家の前まで帰ってきたところで、それじゃ、と別れようとしたときだった。

「なぁ」

「なに?」

結斗に引き止められた。

「その…お前んち、おじさんもおばさんも共働きで、この時間誰もいない、よな?」

確認するように聞かれて、私は頷いた。

「だったらさ…帰ってくるまで、家にいれば?」

「え?」

「…ひとりだと心細いだろ。それに、母さんも…お前の事、心配してたから」

ちょうど結斗がそう言ったときだった。

「結斗!」

玄関が開く音と同時に、ばたばたと中か人が走り出してきた。

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