大好きなあなたへ~天国からのラブレター~

春の恋

朝アラームが部屋中に鳴り響く。
大きなあくびをしながら時計の方へ手を動かす。

「今日から高校生だぁ・・・」

私、新垣若葉は喜びに満ち溢れていた。
中学の間勉強を頑張ったかいがあった。
あこがれの先輩三浦先輩と同じ高校に行くため
好きなことをはぶいてまで勉強を頑張った。
私の頭の中は三浦先輩一色!
したくをして急いで学校へといった。

「ここが・・・あの・・・高校・・・」

嬉しさのあまり言葉が見つからない。
私はすぐ先輩を探した。
・・・でもいない。
その時

「わっかばー」

後ろを振り向くとわたしの大好きな親友の紗枝がいた。

「はよー!」

「うちら同じクラス!」

「まじ??やった☆」

「・・・若葉ぁ今三浦先輩探してたでしょぉ~?」

さすが紗枝。
鋭い。

「もっちろぉ~ん!でもいないんだよねぇ」


「とにかく今探したら始業式間に合わないよ?急ご!」

結局先輩が見つからないまま始業式の時間がきた。

「只今より平成○○年、第○○回南高等学校入学式をはじめます」

教頭先生の声が体育館中に響き渡る。
わたしはぼーっとしていてなにも聞こなかった。
しかしある言葉だけが耳に入ってきた。

「生徒会委員会、会長三浦和也」

・・・三浦先輩???
私はとっさに姿勢を正し、ステージを見た。  

「三浦先輩だ・・・」

喜びを抑えきれなかった。
入学式が終わり、教室へ戻ろうとした。
何気なくグラウンドを見た。
・・・ん?

「三浦先輩・・・!」

私はおなかが痛くてトイレに行くと先生に言い、
三浦先輩の所へと走った。

「・・・今日こそ気持ち伝えるんだ!今しかないんだ!」

中学校三年間三浦先輩だけを見つめていた。
三浦先輩を最優先していた。
その気持ちを伝える時が来た。

「高校の目標は先輩に気持ちを伝えること・・・」

そう自分に言い聞かせて先輩の元へ行った。

「み・・・三浦先輩っ・・・!」

「・・・え?俺?君は・・・同じ中学校だったよね・・・?
 たしか・・・新垣・・・?」

「そっそうです!」

「でどうしたの?」

「・・・。」

・・・言葉がでない。
伝えられない。
”好き”このたった二文字がいえない・・・
だって・・・
ある人の視線が・・・

「ん?あっ深那美。」

「・・・拓海、誰その子」

「同じ中学の後輩」

「ならよかった」

「あー新垣ごめん。また今度な」





< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop