誓~天才演技者達の恋~
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仕事が終わり、家に帰って来たユリア。
制服のままベットにダイブして、天井に右手を伸ばす。
「はじめて...男の人に平手打ちした気がする」
ユリアは右手を自分の胸に置く。
そして、あの時の言葉を思い出していた。
『恋に迷ってる』
右手を強く握り締める。
何で叩いたのか、何となく分かっていた。
「見透かされて...悔しかったんだ...」
卓也は見事に、ユリアの心を見透かした。
それがユリアには悔しかった。
演技者として、すべて見透かされるのが悔しくて..。
怖くて、いつかすべて知られるんじゃないかと思ったからだった。
「謝らなきゃ...いけないのかな?」
でもあわせる顔がユリアには無い。
また心を見透かされるんじゃ無いかって思った。
記憶喪失のユリア。
気持ちはフワフワしてて、Yuriaじゃなきゃ自信が無くて、簡単に心は見透かされて、簡単に体調不良と分かられてしまう。
「日比野...卓也...」
たとえそれが一人だとしても、ユリアには不安材料の一つでしか無い。
これが賢斗だったら、違う答えが出ていたかも知れない。
ユリアは起き上がって、制服から部屋着に着替える。
「行かなきゃ...」
ユリアは部屋着に着替える前に、私服に着替えた。
そして何故か家から飛び出す。
「ユリア?!ドコ行くの?」
ユリアは操られたように、街を走る。
ドコで足が止まるか、分からないまま...。