誓~天才演技者達の恋~
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ユリアは荷物を引きながら、身体を伸ばす。
ロンドンにある国際空港の一つ、ヒースロー空港に着いた明華学園の高1。
12~13時間の長旅だった。
ユリア達はこれから、一日だけの団体行動をする。
まずヒースロー・エクスプレスと呼ばれる直行電車乗る。
それで、ロンドン中心部のバディントン駅まで向う。
ユリアと賢斗。
由梨と卓也は、飛行機の中では無言だった。
「ユリア、オマエ顔色悪いけど、大丈夫か?」
ユリアは鏡で自分の顔を見る。
卓也に言われた通り、顔色が良くない。
「記憶前の私は、苦手だったってことね」
「え?」
「何でも無いわ。心配ありがとう。先にホテルに行くことにするわ」
ロンドン担当の教師に話をし、宿泊先を聞く。
住所と電話番号、地図を貰い、ユリアは周りに気づかれないように集団から外れた。
「あれ...あいつ...」
卓也が辺りを見回しても、ユリアの姿は無い。
卓也は携帯を取り出したが、番号を知らない卓也は、ポケットにしまう。
「あぁ、間違えちゃったわ!」
「えっ!?」
卓也は教師の悲鳴の理由を聞く。
すると教師は気まずそうに口を開けた。
「菊花さんに渡したの...もしもの時の教師達の集合場所だわ」
「はぁ...!?」
卓也は賢斗から携帯を奪い、電話帳からユリアを探してかける。
しかし、ユリアの携帯に電源が入ってないらしく、虚しくアナウンスが耳元で響く。
「チクショウ!マズイぞ...」
卓也は賢斗の携帯を持ったまま、走り出した。