誓~天才演技者達の恋~
ユリアも知っている。
自分と酷似し過ぎている白野百合亜について。
「関係性なんてありません。私は菊花ユリアです」
「それにしては...似すぎてません?」
「.......」
朱美は、一枚の写真を取り出す。
それはユリアが忘れている、修学旅行中の写真。
「行きでしているネックレス...白野百合亜さんに日比野卓也さんがあげたモノです。
デザインは、霧島ジュエリーの中でも世界に一つだけ。
そしてリボンのチャームの裏には、Yuriaと掘られていました。」
「!!!!!!!!!」
「もしかして、あなたは飛行機事故で生き残った...白野百合亜さんなんではありませんか?」
ユリアは頭を抱えて、朱美の前で崩れる。
朱美も突然のことに、軽く悲鳴を上げる。
「Yuria!?」
「嘘...よ。嘘...。
私が白野百合亜なんて、ありえない」
「Yuriaさんって、記憶喪失だったりします?」
「えっ.....?」
朱美はユリアと同じ目線になるように、しゃがむ。
ユリアは朱美に警戒の視線を送っていた。
「本当にドラマみたいな話ですね。
あなたが記憶喪失前、白野百合亜だとしたら...。
あなたの周りは嘘をついていた事になります」
「ウッ.......」
「菊花ユリアは存在しない。
自分のためにも、早く思い出すことをオススメします」
朱美は、室井が来る前に撤収した。
室井は倒れているユリアを見て、急いで駆け寄った。
「ユリアさん!?ユリアさん!?」
「記憶.....記憶が...ほしい」
「百合...亜?」
「私は、白野百合亜なんですか?
全部........嘘なの....?」