誓~天才演技者達の恋~
__7:00__
香織は口を開けて、朝キラッ☆を見る。
香織だけじゃない。
由梨も賢斗も明日香も卓也も...。
それだけじゃない。
Yuriaのことを知っている人間は、皆驚いていた。
テレビの中では、スーツをビシッと決めた小椋がパネルと共に、話を進めていた。
「演戯祭終了後、Yuria倒れる...これはどういうことなんでしょう?」
「過労。とYuriaさんの所属事務所は話しています。」
女の局アナが、小椋の言葉に答える。
すると、一人のコメンテータが手をあげた。
「はい。どうぞ」
「Yuriaさんは、演戯祭で日比野卓也くんと舞台に上がったんですね。
その時、アドリブでキスシーンを入れたんですよ。
噂では、倒れたYuriaさんを卓也くんが運んだっていう噂なんですよ」
「....どうしてです?
アドリブのキスシーンを置いといても、倒れたYuriaさんを運ぶのは、世間一般的に城崎賢斗くんじゃないんですか?」
小椋の質問に、巻貝がついに動き出した。
ゆっくりと手をあげる巻貝を、小椋はさす。
「巻貝さん。どうぞ」
「確かに、可笑しいですよねぇ...。」
「......」
「噂によれば、Yuriaさんが倒れた時、歌原由梨・城崎賢斗・霧島明日香・日比野卓也がいたみたいですよぉ...」
小椋は本気で驚いた。
巻貝がいることで、今日が荒れることなど分かっていた。
スタッフも、テレビ局の幹部たちも、全員分かっていた。
だけど、想像以上だ。
「つまり、偶然が重なって、日比野卓也はYuriaを運んだんじゃない。
きちんとした理由があるんですよ...。
城崎賢斗がYuriaを運べない理由がね...」
「ほ、ほぉう。それはどんな?」
「小椋さんは、視聴者を焦らすの得意だなぁ...。
初めに言っておくと、日比野卓也は歌原由梨との恋愛は、日比野卓也自身が、気持ちを抑えるためのカモフラージュ。
きっと彼は、未だに白野百合亜が好きなんですよ」