誓~天才演技者達の恋~
YuriaShironoです!!
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「大丈夫?百合亜ちゃん」
百合亜の母親は心配そうに、顔を覗き込んだ。
百合亜は笑顔を見せると荷物を下に降ろした。
「アルバムとか...持って行かないの?」
「....はい、なんだか悲しくなりそうで」
「そう…………もういいわよ?
わが子の白野百合亜じゃなくて」
百合亜は母のその言葉で女優のスイッチを入れた。
瞳をキラキラと輝かせ、誰もが惚れる天使の笑み。
「テレビの世界の白野百合亜ね」
百合亜は頷くと、家の外に出た。
そこには今か今かと待ち続けた記者達が...。
「百合亜ちゃん!今日の気持ちは?」
「ドキドキワクワク...ちょっぴり不安です」
記者達の質問に答えながら、百合亜は隣の卓也の家を見つめていた。
卓也の部屋は、カーテンが締め切っていて、中が見れなかった。
「百合亜ちゃん!空港でも言われるだろうケド...全国に一言」
「ぜひ、YuriaShironoを応援してください!!」
記者からの歓声を浴びていると、父親の運転する車がきた。
百合亜はお辞儀をすると、車に乗り込む。
窓を開けて「動くので注意してくださいね、ではみなさん空港で」と一言。
写真を撮るのを忘れ、記者達には笑みがこぼれていた。