誓~天才演技者達の恋~
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空港には白野百合亜のファンと、記者達が詰め掛けていた。
明日香はその間を通り抜けながら、卓也を探していた。
美人の分類に入る明日香は、記者にちょくちょく声をかけられた。
明日香は「ファンなの?白野百合亜の」と聞かれると、内心では「大親友だっつーの!!」って叫びながら頷いていた。
空港を歩き回るが、卓也の姿は無い。
百合亜にネックレスを渡すハズなのに、居ない。
「あのバカッ...どこ行ったのよ」
明日香は怒りを覚えながら、空港内を走る。
本当は“渡してほしくない”くせに....
「どうして、叶わない恋なんか」
いつからだろう。
明日香が卓也に恋を覚えたのは。
いつからだろう。
卓也と百合亜が両想いだと気づいたのは...。
明日香は走りながら考える。
『恋を覚えた時に、両想いに気づいた』きっとそれが正しい答えなのだろう。
明日香は立ち止まり、涙を流した。
プライドが高いお嬢様は、決して涙を見せるようなことはしなかった。
そのはずなのに、涙が止まらないでは無いか。
「大丈夫か?」
明日香は勢い良く顔を上げる。
そこには同じような年頃の男の子。
「平気よッ!全然平気なんだからッ!!」