誓~天才演技者達の恋~
鎌足は苦笑いを浮かべると、スタスタと歩き始めた。
朱美も苦笑いを浮かべながら、そのあとを歩く。
「そういえば、菊花プロダクションの社長のネタ...手に入ったか??」
「いいえ。本名かも定かではない、菊花カオリという情報だけです」
朱美はメモ帳を開きながら、そう答えた。
鎌足は唸りながら足を進める。
「名前が本名なのかさえ分かればな...
カオリでも字は別としても、男でもいるからな...カオリやカオルとかさ...」
「はぁ...しかし何故また、菊花プロダクションの社長、菊花カオリのネタを狙っているんですか??」
鎌足は足を止めると、一人の少年を指差した。
朱美もその少年を見る。
「彼は今、俺が目をつけている将来有望な俳優(子役)でね。
気になって菊花プロダクションを調べたんだよォ。
したらさ、いつ開設したのかも、今までの経緯とかも全然分からないんだよね。
初めはカオリっていうのでさえ、分からなかったんだから」
朱美は頷きながら、想像に菊花カオリを作っていた。
男なのか女なのか、はたまたオカマなのかも分からない社長。
朱美は肩を震わせた。
「まぁ、彼は城崎賢斗って言うんだけどね。
なかなか面白いよぉー。今度土居ィィィも見てみなよ」
「………はい。」
「あっ、イに関しては突っ込まないんだね。成長したね。土居ィィィィ」
朱美は内心でブツブツ言いながらも、笑顔でその場をやり遂げた。
鎌足は一度足を止めて、朱美を見ると
「朱美ちゃんは、白野百合亜を見て帰る??
俺は興味無いから見ないけど」と一言多いいが、朱美に聞いた。
朱美はせっかくのチャンス!と思い、一度天才を目にいれようと考えた。
「はい、お言葉に甘えて見て帰ります。」