誓~天才演技者達の恋~
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百合亜はカメラのフラッシュを浴びながら、車から降りた。
その顔は、笑顔でもありが、緊張しているようにも見えた。
「百合亜....大丈夫??」
百合亜の母親は耳元でボソリと呟いた。
元々モデルをバイト感覚でやっていた母親は、抜群のスタイルを持ち
同じくモデルをバイトでやっていた父親も、抜群のスタイルをしている。
「やっと空港に着いたね!お父さん、お母さん」
「そうね」
百合亜は報道陣の横をすり抜けて、空港内を見渡す。
そんな時、一人の彼女と目が合った。
“なんとなく似てる”そんな感じだった。
百合亜より二個上くらいの彼女は、勢い良く百合亜に近づくと、パッと笑顔を見せた。
「白野百合亜ちゃん!?」
「えっ...あぁ、そうです」
まるで百合亜がそのまんま成長したような少女。
近くで見ると、なんとなくでは無くソックリと言ってもいい。
百合亜の両親もビックリしたような感じで、彼女を見ていた。
「あの………ファンなんです!
百合亜ちゃんに真似てロングにしてるくらい……あっ!サインお願いできますか??」
百合亜は色紙とペンを受け取り、自分のサインをする。
今までサインなんて、きちんとやった事が無かった百合亜は、緊張気味で書いていく。
「あの...名前は??」
百合亜が聞くと、彼女は鼻で笑った。
まるで聞かれるのを待っていたかのように、彼女は口を開く。
「ゆりあ………………
“ゆりあ”よ。」