誓~天才演技者達の恋~


「卓也!!」



百合亜は泣きながら卓也に抱きつく。


卓也は笑うと、首にあのネックレスを着けた。



「えっ!?」


「それ、プレゼント...
将来、近い将来には指輪渡すから

....それまでの予約」



記者達はやっと、二人が本当の愛を告白していることに気づいた。


フラッシュの中、百合亜は卓也の唇にキスをした。



「俺は、百合亜が大好きです」



卓也は百合亜を抱き上げた。


百合亜は初めて、素の白野百合亜を報道陣(記者達)に見せた。


カメラマン達もフラッシュを止めて、百合亜を見る。


そう。
彼女の瞳が変わったのだ。


卓也はゆっくりと百合亜を降ろすと、百合亜に微笑む。


百合亜はゆっくりと離れると、両手を広げた。



「私はこの先
何があっても卓也を愛します。

前世も来世も...今も...。
卓也だけを愛します。」


「それは何かの台本か??」



卓也は冗談口調で呟く。


百合亜は笑いながら首を振る。



「私は
卓也だけには演技は出来ない。

もし
私が私で無くなったとしても...

私は
卓也の前だけは演技できる気がしない」



百合亜はそう呟くと、卓也と目線を合わせる。


卓也は照れくさそうに笑うと、百合亜の頭に手を置く。



「もし、百合亜が百合亜じゃ無くなった時...
俺は一番にオマエを...

百合亜を見つけてやる!!」



百合亜は卓也を抱きしめると、涙を流した。



「必ず、必ず百合亜に追いつく。
待ってろ...

必ずその世界に迎えに行ってやるから」

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