誓~天才演技者達の恋~
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彼女は広い病室の中で目を覚ました。


辺りを見回してもベットしかない部屋。


彼女は起き上がって、ベットの上に立つ。



「ここは...ドコなの??」



分からない彼女は、ベットの上でうずくまった。


――ガチャ


白い白衣を纏ったポニーテールの女は目を見開くと、彼女に駆け寄った。



「起きたのね。大丈夫??」

「だ....れ??」



かすれ声の彼女は、ポニーテールの女の突き飛ばした。


彼女は肩を震わすと、ベットから降りる。



「あなた...誰??」


「あたしは、あなたの担当医。
成見咲子(NarumiSakiko)よ。」



咲子は彼女にもう一度触れると、彼女は拒絶はしなくなった。


しかし彼女は死んだ瞳で、咲子に聞く。



「私は...誰?」



咲子は持ってきたカルテを彼女に差し出す。

彼女はそのカルテを手に取った。



「きくばな...ユリア...。それが私の名前?」


「そうよ、菊花ユリア。
あなたはアメリカの玉突き事故に巻き込まれたの。」


「じゃあここは...アメリカ?」



咲子は首を振って、病室のカーテンを開けた。


窓の外には、東京タワーが見えていた。


ユリアは窓まで行くと、フッと鼻で笑った。



「アメリカじゃない...のね。
それすらも分からない。」



咲子はユリアの身体を支えた。

ユリアは体重を預けて涙を流す。



「大丈夫よ。
あなたは事故のショックで今日から前を覚えていないだけ。

いつかは必ず、思い出すときが来るわ」

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