誓~天才演技者達の恋~
白野百合亜は、海外でも演技力が評価され、小六にして日本人初のハリウッドとの契約が決まった。
しかし、演技者としての白野百合亜は喜ぶが、女の子としての白野百合亜は内心複雑だった。
何故なら、大好きな人と離れなければいけないから。
今までずっと一緒にいた人と離れるのはキツイ。
最低でも約3年...つまり高校一年生までは、日本には帰って来れない。
それが、ハリウッドとの契約だった。
「百合亜、荷物はまとめてるの?」
百合亜の所属する社長でもあり、マネージャーでもある花坂果歩
(HanasakaKaho)は、運転しながら後部座席に乗る百合亜に声をかけた。
「してますよ?お母さんもお父さんも大喜びで、荷物をまとめています」
「そうでしょうね。こんなに最高な子が私も欲しいわ」
「私は、果歩さんを第二の母だと思ってますよ?」
「あらッ、ずいぶん嬉しいこと言ってくれるのね」
車の中の空気はとっても心地よかった。
ここは演技者の白野百合亜と、女の子の白野百合亜が出ても大丈夫な場所。
百合亜はそう意識していた。