誓~天才演技者達の恋~

初舞台は演戯祭



明日香が毎日、疑問に生活しながら早3ヶ月...。

前期の演戯祭当日になった。


「ねぇ、どうゆうことなの?後期には選ばれた班で...演技するって話」


そう、由梨も最近知ったのだが、年に二回演戯祭は開催される。

前期と後期という言い方をするのだが、どちらともクラスででは無い。

前期はクラスでの準備・発表。

後期発表になると、1~3年生の代表者何名かが、3つに分かれて班になり、演技を発表するというもの。

脚本は有名監督に特別に書き下ろして貰い、舞台上の準備は、ドラマや映画で活躍している大道具さま達が準備などと、豪華すぎる舞台だ。

もちろん各学年の代表者は、芸能科のトップ職員が決めるのであり、毎年豪華なキャスティングになるのだそう。

学年代表者が混じって演技をするため、毎年演技の輪が広まっているらしい。


「....」


卓也は由梨の質問に無視して、車に乗り込んだ。

由梨は頬を膨らませて車に乗り込む。


――カシャ

朱美は影から静かにシャッターを押した。

そして車が発進されると、朱美は眼鏡と同じ赤色のバイクにまたがる。


「城崎賢斗でくるかと思えば、日比野卓也...あの編集長何考えてんだか」


朱美はヘルメットをかぶり、バイクを発進させて、遠距離から由梨と卓也の乗る車を見ていた。

今日は演戯祭当日。

鎌足の命令でスクープを狙う朱美。


「でも百合亜が死んで一年近く...あの卓也って子...強いな...」


ヘルメットの中で呟いていると、朱美の横にえらい長いリムジンが走る。

すると音を経ててゆっくりと窓が開いた。

朱美は安全運転をしながらも横をみる。

何かを考えているのか、霧島明日香は都会のビルを見つめていた。


「そういえば、霧島明日香の父親...清四郎も飛行機事故で亡くなったな...」


そう呟いていると、いつの間にか窓は閉まっていて、明日香の姿は見えなくなっていた。

そしてリムジンは音も無く、静かに朱美の横を通り過ぎていた。

朱美は無言でエンジン全開にすると、明日香の車や由梨たちが乗る車のように、高速道路に入った。


「これって、ETCないんだっけ...?」


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