誓~天才演技者達の恋~
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「ユリア...入るぞ」
賢斗はゆっくりと病室のドアを開けた。
すべて思い出した可能性もある。
香織からはそう聞いていたし、思い出してしまっては....。
「賢斗ッ!待ってたよ」
賢斗は病室のドアを開けたり、閉めたりを繰り返していた。
ユリアはポカーンと賢斗を見るが、賢斗は永遠に繰り返すかのように、ドアの開け閉め。
「賢斗...?」
「オマエ...思い出してないのか?」
「?????思い出すも何も...ちゃんと記憶...あるよ?」
賢斗はワケも分からず首を振る。
ユリアは賢斗を抱きしめると、ベットに押し倒すように賢斗と倒れこんだ。
「幼い頃は覚えてないよ...。でも、賢斗と恋人だったのは覚えてる」
「....記憶喪失なのは変わらないのか...?」
「お医者さん...咲子さんの話ではだけど...記憶喪失だよ。
もちろん私だって...アメリカに住んでたこと、玉突き事故に遭った事....なんて覚えてない」
ユリアは首からネックレスを取ると、賢斗の前に出した。
賢斗はそれを受け取ると、もう一度ユリアにつける。
「そう...この感じ....覚えてる...私は大好きな賢斗に、このネックレスを貰い、着けて貰ったの」
賢斗は優しく微笑むと、ベットから降りた。
ユリアはベットに座り賢斗を見つめていると、賢斗は照れくさそうに、ユリアと唇を重ねた。
「私は、たとえ生まれ変わっても...
別人になっても、記憶が無くなっていたとしても...
キミに恋をして、永遠の愛を誓います」
病室をノックしようとしていた卓也は、咄嗟に手を引っ込めた。
「声...ソックリ...だ...」
卓也はボソリと呟くと、病室から逃げるように去る。
ユリアは変な違和感を感じながらも、台本のセリフを続けていた。
賢斗が来る前に読んでいた台本を....。