誓~天才演技者達の恋~
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《迷っちゃった(泣)
明華学園は広いよぉ~!!》
ユリアから来たメールを見つめながら、ユリアを探す賢斗。
すると、芸能科と普通科の間にある噴水に、ユリアは腰掛けていた。
「ユリ....」
――バシャバシャ
左手を噴水に入れ、水で遊んでいるユリア。
その何とも言えない雰囲気に賢斗は戸惑う。
「綺麗だ...」
ポツリと呟くと、賢斗は背後からゆっくりとユリアに近づいていく。
ユリアが水から手を出した瞬間、賢斗はユリアに抱きついた。
「えっ...賢斗!?」
「ごめん。キスしていい?」
「.....うん。」
ゆっくりと唇を重ねるユリアと賢斗。
賢斗は今ある幸せを噛み締める。
――パシャ
朱美は木の陰から静かにシャッターを押す。
カメラを顔から離し、撮った写真を確認し笑う。
朱美は、噴水で遊ぶユリアの姿から撮っていた。
「この子が...菊花香織の子供。菊花ユリア...。まさか、ここまでそっくりだとわね」
朱美は眼鏡を取ると、ぼやけた視界でその場を去る。
そして、コンタクトを入れると携帯を取り出した。
「鎌足編集長?撮れました。菊花ユリア...そして恋人の城崎賢斗」
電話の向こうで鎌足は、大声を上げていた。
朱美はその言葉を聞いて、さらに笑うことになる。
『土居ィィィィィ!良くやったー!今日はビールだ。ビール!』
「ですから、土居ですって」