とけてながれて【完】
「俺さ、」
「うん…」
静かに頷く
「月に、恋してんの」
「月?」
「そう、月」
そう言うと、泣きそうなのに
本当に幸せそうに、笑う
愛しい愛しいと言う様に
私はそんな顔で好きだと言える白夜くんが
羨ましくて仕方が無い
泣きそうになって、唇を噛む
私も、言いたいな
誰かにいえるような、恋であったならどんなによかっただろうか?
お兄ちゃんじゃなく、他の人だったら苦しくなかっただろうか?
…きっと、駄目だ
私は、お兄ちゃんしか好きになれない
一生に一度の、大恋愛をしている