とけてながれて【完】
「白夜君の恋は、辛くないの?」
私は少し、自分に重ねた
「辛いし、泣きそうになる。」
「なのに、笑うんだね」
「だって…愛してるから。俺は、手の届かない月を眺めてるだけだから。」
今にも涙が零れそうなほど辛そうな顔なのに
泣かない白夜君
「それは、我慢?」
私は、聞いてしまった
それは我慢なんだろうか、と
思ってしまった
「違うよ。月を眺めて手の届かないモノに恋をしてしまったんだ。叶わない、実らないのが当然だって、思う。」
聞いて、後悔した
何で、聞いたんだろうかと
私と同じ、なのに
私より、何十倍も強い白夜君
嗚呼、何で
何で神様は酷いことばかりするんだろうか