とけてながれて【完】
「そう、愛しの月君」
そんなに愛される月が羨ましい
そんな愛、見たこと無い
綺麗な、愛だ
私の醜い愛じゃない
本当に、月だ
穏やかな、神聖な月みたいな愛
私の、本当は汚い雪みたいな溶けて消える愛とは違う
「神様ごめんね」
「…うん」
笑うのをやめて私を見る白夜君は
世界で一番幸せそうで
世界で一番儚い笑顔だった
「神様は、愛したかったんだね」
「そう、愛したかったんだ」
まるで自分のことのように言う白夜君
「寂しくて、愛したくて、愛させたくて、我侭で、自分勝手で」
「ふふ、そうだね」
「そんなの、一番人間らしい」
「欲望に素直だしね」
二人して、クスクス笑った
神様の悪口言ってる私達はきっとバチがあたるな、なんて
考えて